活用術
オレオレ詐欺
代表的なものになりますが、いくつかのパターンがあり
①親族などになりすます。
②警察官、弁護士等になりすます。
③「カード預かります。」
④偽サイトヘの誘導
⑤振り込ませない振り込め詐欺。(自宅まで取りに来るパターン)
等があります。
これらはATM等からの振り込み、銀行での出金が必要になるのですが、金融機関で現金を払い戻す際、偽の使途を答えるように犯人は誘導します。(リフォーム代、冠婚葬祭、自宅金庫への保管等がよく使われるそうです。)
予防策としては決して自分一人で判断せずに必ずご家族に相談するか、弁護士費用保険「Mikata」のご加入者様は【弁護士直通ダイヤル】を利用していただくことをお勧めします。
民事調停を利用してみては?
民事調停について
皆さんは民事調停をご存知ですか?
民事調停は、裁判官1人と、一般市民から選ばれた2人以上の民事調停委員により構成される調停委員会が、当事者双方の言い分を聴き、歩み寄りを促し、当事者の話し合いによってトラブルを解決することを目指します。
いわゆる話し合いの場を設けますので円満に解決しましょうという制度であり、約6割以上の事件が調停手続きで解決しており、解決までの期間は約2.4ヶ月と迅速に解決が図られているそうです。
また、民事訴訟と比べると申し立てが簡易で費用も安く、手続きが非公開で行われるため、当事者のプライバシーが守られます。
申し立て
管轄裁判所は原則として、相手方の住所のある地区の裁判を受け持つ簡易裁判所に申し立てます。ただし事件の種類によっては例外もありますので、詳しくは、最寄の簡易裁判所にお問い合わせください。⇒こちら
申立書の書式、記載例、手数料は最寄りの簡易裁判所にお問い合わせください。
民事調停の特徴
手続きが簡単
申し立てをするのに特別の法律知識は必要はなく、申込用紙と、その記入方法を説明したものが簡易裁判所の窓口に備え付けてありますので、それを利用して申立てをすることができます。
円満な解決ができる
当事者双方が話し合うことが基本なので、実情に合った円満な解決ができます。
費用が低額
裁判所に納める手数料は、訴訟に比べて安くなっています。
秘密が守られる
調停は非公開の場で行いますので、第三者に知られたくない場合にも安心して事情を話すことができるそうです。
速く解決できる
調停では、ポイントを絞った話し合いをするので、解決までの時期は比較的短くて済む。通常、申し立てがされてから、2、3回の調停期日が開かれ、おおむね3か月以内に調停が成立するなどして事件が解決し、終了しているようです。
民事調停で取り扱う事件
民事調停は、民事に関する紛争を取り扱っており、金銭の賃借や物の媒介をめぐる紛争、交通事故をめぐる紛争、借地借家をめぐる紛争、農地の利用関係をめぐる紛争、公害や日照の阻害をめぐる紛争等。
借金をされている方等がこのままでは支払いを続けていくことが難しい場合に生活の再生等を図るために債権者と返済方法を話し合う手続きとして、特定調停がある。
離婚や相続など家庭内の紛争については、民事調停ではなく、家事調停になります。
医事関係、建築関係、賃料の増減、騒音・悪臭等の近隣公害等の解決のために専門的な知識経験を要する事件についても、医師、建築士、不動産鑑定士等の専門化の調停委員が関与することにより、適切かつ円滑な解決を図ることができます。こうした事件は、最初から調停事件として申立てることもできるが、訴訟を提起した場合でも、調停委員の専門的知見を活用するために、事件が調停に移される(これを「付調停」という)こともある。
調停手続きの流れ
申立て⇒調停期日の指定⇒当事者双方の呼出し⇒調停期日(話し合いによって合意に至った場合)⇒調停成立
申立て⇒調停期日の指定⇒当事者双方の呼出し⇒調停期日(どうしても折り合わない場合。相手方が不出頭の場合。)
⇒調停に代わる決定or調停不成立
※調停に代わる決定
調停の経過や紛争の態様によっては、裁判所が、調停委員の意見を聴き、当事者の言い訳を衡平に考慮し、事件の解決のために必要な決定をし、2週間以内に、意義の申し立てがなければ、調停が成立したのと同じ効果生じる。
<裁判所ホームページ・民事調停解説ページより引用>
民事調停は利用するには比較的簡単だと思いますが、まだまだ認知度は低いように感じます。
私も弁護士費用保険を知るまで、この様な制度があることは聞いたことはあっても利用の仕方などは知るよしもありませんでした。今回調べることにより身近に感じることができ、知人や友人にも機会があれば伝えていこうと思います。
❸国民的基盤の確立(国民の司法参加)
裁判員制度の導入
裁判員制度とは、国民の中から選ばれた裁判員が、刑事裁判に参加する制度です。(平成21年5月21日スタート)
6人の裁判員と3人の裁判官が、ともに刑事裁判に立ち合い、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合にどのような刑にするかを判断します。
裁判員制度では、裁判の進め方やその内容に国民の視点、感覚が反映されるので、裁判に対する国民の理解が深まり、裁判がより身近に感じられ、司法への信頼が高まっていくことが期待されています。
<司法制度改革推進本部事務局発行パンフレットより抜粋>
平成28年12月末までに裁判員に選ばれた方は54,964人になるそうです。
性別では男性55.0% 女性43.4%
年齢20代13.9%、30代21.0%、40代23.3%、50代19.7%、60代18.4%、70歳以上1.9%
職業ではお勤め55.9%、パート・アルバイト15.2%、専業主婦・主夫9.6%、自営・自由業7.0%
学生・無職・その他計10.1%
裁判員裁判における人員は9,548人
裁判員として、裁判手続きに参加する日数の平均は約5,6日、判決の内容を決めるための評議の時間の平均は約10,4時間になるそうです。
<裁判所ウェブサイト内裁判員制度(裁判員制度実施状況について)より>
私はまだ通知はきていませんし周りにも通知がきた、参加したとのこともまだ耳にしていませんが、これを読んでくださっている方の中にはこれから参加される方、すでに参加された方もいらっしゃるかもしれません。
最近はあまりメディアにも放送されなくなり忘れてしまいそうになりますが、もし通知がきても慌てないようにこのブログを書きながら心の準備をしています。
❷司法制度を支える法曹の在り方の改革
平成14年3月より「司法制度改革推進法」に基づく司法制度改革推進計画を閣議決定し、同計画に基づき、司法制度改革推進本部において関連法案の立案作業などを進め、平成16年12月までの間に、24本の法律案が各国会において可決・成立しましたが、これらの内容としましては5つの改革がありました。
①法曹人口の拡大
法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況などを見定めながら、平成22年頃には司法試験の合格者数を年間3000人程度とすることを目指すとされていた。
平成 3年 弁護士 14,080人 検察官 1,173人 裁判官 2,022人 合計 17,275人
平成16年 弁護士 20,240人 検察官 1,505人 裁判官 2,385人 合計 24,130人
平成26年 弁護士 35,113人 検察官 1,835人 裁判官 2,944人 合計 39,892人
平成3年~平成16年の13年間で6,855人の増加に対して平成17年~平成26年の10年間では15,762人に増加しました。
<法曹人口調査報告書(案)参照>
②法曹養成制度の改革
<法務省HP 法曹養成制度の改革ページより>
平成25年6月には法曹養成制度関係閣僚会議のもと法曹人口の在り方について社会がより多様化、複雑化する中、法曹に対する需要は今後も増加していくことが予想され、社会の要請に応えるべく、質・量ともに豊かな法曹を養成するとの理念の下、全体としての法曹人口を引き続き増加させる必要があることに変わりはない。だが司法試験の年間合格者数を3,000人程度とする数値目標を上げることはせず、法曹としての質を維持することに留意しつつ、活動領域の拡大状況、需要、司法アクセスの進展状況、法曹養成制度の整備状況等勘案しながら、都度検討を行う必要があり、以後継続的に調査を実施すべきとの方向性に落ち着いたようです。
③弁護士制度の改革
〇弁護士が公的機関や、届け出て民間企業で自由に働けるようにした。
〇弁護士報酬について適正な競争が行われるようにした。
〇網紀・懲戒手続きを整備した。
〇司法試験に合格した企業法務の担当者などに対しても弁護士資格の特例を拡充した。
〇弁護士と外国法律事務所弁護士との共同事業等に関する規制の緩和等を行った。
④検察官制度の改革
〇検事を一定期間、公益的活動を行う民間団体や民間企業に派遣するとともに、弁護士の職務を経験する制度を創設。
〇検察庁の事務の改善に関する検察審査会の意見に対し、検察庁が回答することを法律で義務付け。
⑤裁判官制度の改革
〇民事調停官および家事調停官制度を創設(いわゆる非常勤裁判官制度の導入)。
〇判事補が一定期間弁護士の職務を経験する制度を創設。
〇裁判官の任命手続きを見直し(最高裁の指名手続きに関与する諮問機関の設置等)。
〇最高裁判所裁判官の国民審査公報を充実。
〇新たに地方裁判所委員会を設置。
<刑事司法制度の改革>
◆刑事裁判の充実・迅速化
刑事裁判の充実・迅速化のため、以下の制度を導入
○裁判の前に争点や証拠を整理するために公判前整理手続を創設し、証拠開示を拡充。
○連日的開廷の原則を法律で定める。
○裁判所の訴訟指揮の実効性を確保するための制度を導入。
○争いのない簡易明白な事件について、簡易・迅速に裁判を行う即決裁判手続を創設。
◆国選弁護人制度の整備
被疑者について、一定の事件では拘留段階から国選弁護制度を導入するなど、被疑者・被告人の国選弁護人制度の
整備。
※被疑者と被告人
被疑者とは、犯罪を犯したという疑いで、警察などの捜査機関から捜査の対象とされている起訴前の者をいいます。
被告人とは、検察管から起訴され、裁判を受けている者をいいます。
◆検察審査会の機能強化
検察官が不起訴にした事件について、くじで選ばれた一般の国民によって構成される検察審査会の一定の議決に基づき
起訴することができるようになりました。
<司法制度改革推進本部事務局発行パンフレットより抜粋>
次回は「司法制度を支える法曹の在り方の改革」についてです。
<民事司法制度の改革>
◆民事裁判の充実・迅速化
民事訴訟手続きに以下の制度を導入しました。
○計画審理の制度を導入。
○訴えを起こす前の新たな証拠収集方法を導入。
○専門的な事件について専門委員制度を導入。
◆知的財産関係事件への総合的な対応強化
特許などの知的財産関係事件についての審理を、より充実・迅速化させるため、知的財産高等裁判所を設置する
など処理体制を強化するとともに、訴訟手続きを利用しやすくする。
◆労働関係事件への総合的な対応強化
裁判所における個別労働関係事件についての簡易迅速な紛争解決制度として、労働審判制度を導入。
◆家庭裁判所の機能の強化
◆簡易裁判所の機能の強化
○少額訴訟手続きとして取り扱うことが出来る請求の上限をこれまでの30万円から60万円に拡大。
◆権利の確実な実現
◆裁判所へのアクセスの拡充
利用者の費用負担を軽減するため、訴訟の手数料の額を全体として引下げ。
◆裁判外の紛争解決手続(ADR)の拡充・活性化
ADRの拡充・活性化を図るため、関係機関等が連携を強化し、横断的・重点的に取り組むべき施策(アクション・プラン)
を取りまとめ。
◆仲裁法制の整備
裁判外の紛争解決手続きの一つである仲裁手続きについて、国際標準に沿った「仲裁法」を定める。
◆行政訴訟制度の改革
国民の権利利益のより実効的な救済手続きの整備を図る。
○新たな訴えの仕組みを定め、訴えを起こす資格を広げ、救済範囲を拡大。
○行政庁に資料の提出を求める制度を新設し、審理の充実・促進を図る。
○訴えを起こせる期間を延ばし、訴えを起こす相手方もわかりやすくするなど、手続きを利用しやすく、わかり
やすく。
○判決が出る前の仮の救済の制度を充実。
関係法令はこちら⇒行政事件訴訟法
<司法制度改革推進本部事務局発行パンフレットより抜粋>
❶国民の期待に応える司法制度の構築
まずは全体像をご覧ください。
◆裁判の迅速化
第一審の裁判を2年以内に終わらせることを目標とすることなどを内容とする「裁判の迅速化に関する法律」をさだめました。(平成十五年七月十六日法律第百七号)
◆総合法律支援の整備 ~司法ネット~
全国どこでも法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を目指して、「総合法律支援法」を制定。(平成十六年六月二日法律第七十四号)
日本司法支援センター(平成18年4月10日設立)が、地方公共団体の相談窓口や弁護士会などと連携・協力しながら、次の業務等を行います。
○相談窓口(相談を受け付けて、紛争解決への道案内を行う)
○民事法律扶助
○国選弁護の態勢確保
○いわゆる司法過疎地域における法律サービスの提供
○犯罪被害者支援
<司法制度改革推進本部事務局発行パンフレットより抜粋>
次回は民事司法制度の改革についてお話しします。
ご存知ですか? 《法テラス》
皆さんは「法テラス」をご存知でしょうか?
法テラスは”全国どこでも法的トラブルを解決するための情報やサービスを受けられる社会の実現”という理念の下に、国民向けの法的支援を行う中心的な機関として総合法律支援法(平成16年6月2日公布)に基づき、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人であり正式名称は日本司法支援センターといいます。
法テラスは「司法制度改革」の三本柱のひとつです。
その司法制度改革の三本柱とは何なのでしょう?
『国民に身近で、速くて、頼りがいのある司法の実現』をめざして下記の3つの柱を基本理念として改革が進められました。
1.国民の期待に応える司法制度の構築
2.司法制度を支える法曹の在り方の改革
3.国民的基盤の確立(国民の司法参加)
次回は1.『国民の期待に応える司法制度の構築』についてお話ししたいと思います。